共有物分割請求とは?共有名義不動産トラブル解決への道

共有物分割請求とは

複数人で不動産を所有している共有状態で、共有者の一人がこの共有関係の解消を求めることを「共有物分割請求」といいます。
あなたが共有名義不動産を売却して共有関係を解消したい!と求めること、これも「共有物分割請求」です。
他の共有者に対して共有物の分割を求めることも同義。

共有物分割請求が共有者から提起された場合、この請求は法的強制力があり、他の共有者は共有物の解消に向けて対応する義務があります。
共有状態の解消に向けて協議を行い、協議がまとまらない場合は訴訟に移行して解決を図る流れに。共有名義不動産の売却に共有者が反対した結果、共有物分割請求を提起するケースは、この時点既にこじれているので弁護士に相談しておくとよいでしょう。

この記事では、共有物分割請求を提起してから共有関係を解消するまでの流れ、解決方法をお伝えします。

まずは、弁護士による動画解説で基礎情報を学びましょう。

動画:共有物を分割する方法。弁護士解説。

この記事の内容

共有物分割請求を提起する主なケース
-遺産分割で不動産を複数人で共有相続
-離婚しても共有名義不動産のまま

共有物分割請求の流れ
-共有物分割協議
-共有物分割調停
-共有物分割訴訟

共有物分割請求の主な解決方法
-現物分割
-代償分割(価額賠償)
-換価分割(代金分割)

共有物分割請求を検索している方へ

共有物分割請求を提起する主なケース

①遺産分割で不動産を共有で相続したケース

兄弟で相続することになった不動産。遺言書がなかったので遺産分割協議で法定相続分にのっとって共有で相続したケース。


例えば、このような共有名義不動産でよくあるのは兄の家族が住み続け、弟は共有持分をもっているだけの状況が続いていた。弟は、現金が必要になったので兄にこのまま住み続けるのならば自分の共有持分を買い取ってくれないかと相談する。兄は、経済的に余裕がないので買い取ることはできない!との一点張りで一向に話が進まない。

それなら不動産を売却して持分割合に応じた現金を手に入れたい!と言っても、兄は、こちらにも生活がある!不動産を売却することは難しい!という結果、トラブルに!

②離婚しても不動産が共有状態のまま

年間20万件を超える離婚という結末。熟年離婚も増える一方。離婚後の共有名義不動産トラブルも増加の一途。今まで生活をしてきた共有名義のマンションや一戸建て住宅。


この共有名義不動産を離婚後どうするのか?離婚時の話し合いで共有状態の解消の協議ができず、そのまま元夫婦のどちらかが一戸建てやマンションに住み続けるようなケースで共有物分割請求の手続きを行う事例が散見します。

このように相続や離婚により、共有持分を買取ってほしい!共有名義不動産を単独所有にして共有関係を早く解消したい!という時に共有物分割請求を提起する流れに。

共有物分割請求の流れ

共有関係を解消したい共有者は、共有物分割請求の意思を他の共有者全員に示し、共有状態の解消に向けた話し合いを進めます。

①共有物分割協議

まずは共有者全員で共有物分割協議を行い、共有者全員の意見を確認しながら解消に向けて話し合います。

話し合いの結果、共有状態の解消に反対する共有者がいるか?速やかに共有関係を解消できそうか?頑固な共有者が協議に全く応じない!など、各共有者の希望や解消に向けた方向性が見えてきます。共有物分割請求を提起した共有者は、共有者全員が納得できる解決策に向けて、協議をまとめていきます。

共有物分割協議は、他の共有者全員に対し共有状態の解消条件を書面で示し、具体的に進められるかが重要なポイントです。

共有者の意見が異なることが多いため、困難な協議になることが多く、協議がまとまらないときは、弁護士に依頼して共有物分割請求を進めることに。

②共有物分割調停

協議による話し合いでの解決が難しい場合、裁判所に調停を申し立て、調停委員を交えて解決を図る方法もありますが、調停には強制力がないので調停が不調に終われば、結果的に訴訟に移行するので弁護士が調停を勧めることは多くありません。共有物分割協議で話がまとまらなければ訴訟を起こすことがほとんど。

③共有物分割訴訟

共有物分割協議は行ったが話合いによる解決が難しい場合、共有物分割請求訴訟を管轄の地方裁判所に提訴して解決を図ります。裁判所から和解を勧められ、和解協議を行いますが和解が難しい場合は裁判所の判決で共有状態の解消方法が示されます。

共有物分割請求の主な解決方法

解決に向けた方法は「現物分割」「代償分割」「換価分割(代金分割)」の3つがあります。

①現物分割

現物分割とは、土地などの共有不動産を物理的に2つ以上に分け(分筆)、それぞれの共有持分権者が単独所有する方法のことをいいます。
共有物が土地だけの場合は現物分割が可能ですが、共有物がマンションや収益物件のアパートなどの場合、物理的な分割ができないので現実的ではありません。

②代償分割(価額賠償)

代償分割とは、ひとりの共有者が他の共有者の持分を買い取ることで共有の解消を図る方法です。代償分割は「一部価格賠償」と「全面的価格賠償」の2種類あります。

一部価格賠償:現物分割において共有者の取得金額に差があるとき、持分を上回る価額の現物を取得する共有者に、その超過分の対価を支払ってもらう方法


全面的価格賠償:共有者のひとりが単独で不動産を取得し、他の共有者に対して共有持分の価値にあたる金額(代償金)を支払う方法

③換価分割(代金分割)

換価分割とは、共有物をすべて売却し、売却で得た金額を各共有者の持分割合に応じて分配する方法です。協議又は調停で換価分割をする場合は、不動産の売却は共有者全員の合意が必要になります。

共有物分割請求を検索している方へ

この記事では、共有物分割請求について流れや解決方法についてお伝えしましたが、共有名義不動産は共有者各々の利害がぶつかりやすくトラブルになるケースがとても多いです。


近年、離婚件数が増加し共有不動産で揉める事例も比例して増えていますが、やはり相続によるケースが圧倒的に多いのが事実です。


遺産分割協議の際に共有者間でしっかり話合いを行わず、不動産問題を先送りにした場合、後々醜いトラブルに発展し、共有物分割請求を提起し、共有物分割訴訟をしなければならい結末に。


トラブルの火種があれば早めに弁護士に相談することをお勧めします。また、早期に自分の共有持分を現金化しなけれなならない!など時間をかけていられない状況の方は、共有持分のみの売却査定を不動産会社に依頼し、実際にいくらで売れるのかを確認してみるのも一つの解決手段として検討してみてもよいかもしれません。